障がい福祉サービス事業サポート | 古川行政書士事務所

コラム

児童発達支援管理責任者の確保

行政書士のコラム

児童発達支援管理責任者が見つからない?

放課後等デイサービスを開業しようと資金も用意し、法人を設立し事業所となる物件も押さえている。
あとは児童発達支援管理責任者を確保すればいいだけなのだが、募集をかけてもなかなか見つからず開業できない、
という声を起業者から聞くことがよくあります。

児童発達支援管理責任者の確保はなぜ難しい?

児童発達支援管理責任者となるためには、
①保育園や障がい福祉サービス事業での経験が5年以上を有し、かつ、そのうち3年以上は、児童(障がい児以外、たとえば保育園の児童をも含む。)に対する支援の経験を有していることと
②各自治体が開催する相談支援従事者初任者研修(2日間)と児童発達支援管理責任者基礎研修(2日または3日間)の2つの研修を受けていること、
の両方を満たさなければなりません。

事業所が、ハローワークや転職サイトで、児童発達支援管理責任者や児童指導員を募集すると、①の経験を有している応募者は比較的集まりやすいのですが、②も有している人はなかなか見つからないです。

勿論、①を有している方に②の研修を受けさせれば要件をみたすのですが、これらの研修が開催される時期は各自治体とも4月から10月ころに集中しているので、この時機を逸すると研修を受けさせることができず、翌年の研修時期まで待たなければなりません。
募集をかけてもどうしても見つからない場合は、人材紹介会社に高額な報酬を払い児童発達管理責任者を探してもらうこともありますが、それでも確保することは難しいです。

出向社員として採用することは?

ここで、児童発達支援管理責任者を他法人から(たとえばフランチャイズの本部から)出向社員として受け入れ勤務させることが可能かという相談を受けることもあります。
たしかに、たとえば建設業許可の経営業務の管理責任者や専任技術者の場合は、他法人からの出向も出向先での常勤性を証明できれば、可能です。
しかし、福祉・介護事業においては、出向者をサービス管理責任者や児童発達管理責任者に配置することは基本的に認められていません。障がい福祉サービス事業は、国から給付金を受け取って運営しているため、建設業よりも資格の厳格性が要求されています。

もっとも、株式会社の代表がNPO法人の代表にもなっているなど、グループ会社間の場合は、グループ会社間の出向が認められるようです。ただし、グループ会社は、フランチャイズの本部と加盟店の関係だけでは認められません。法人間の代表者が共通といった強い関係性が必要です。

まとめると

児童発達支援管理責任者の要件をみたすためには、所定の研修を受講している必要があるため確保するのは難しく、出向社員は認められません。

ですから、放課後等デイサービス等の事業所開設をお考えの場合は、まずは人員の確保が最優先です。
児童発達支援管理責任者の要件を満たしているか、または、直近の研修を受けたら要件をみたすという方を確保するまでは、法人設立をせず、事業所物件も決めてしまわないという方針を取った方がよいでしょう。